2020科学知講座『課題研究で使う計測機器を自作してみよう』
科学知講座『日常のなかの「問い」をみつめよう』では、電子回路技術やプログラミングの活用について学びます。温度センサーなどいろいろな計測機器に使用されるセンサーの特徴を知り、課題研究で必要なデータを収集するための回路を自作することに挑戦する体験も行います。この講座には、理数キャリア1年生の22名の生徒が参加しました。
はじめに、今回の講座で使用するマイコンArduinoを使った生理心理学入門のお話をききました。併設大学の先生が、この講座のために様々な説明動画を準備してくださいました。
計測装置自作の意義について説明を受け、生徒たちの表情が引き締まります。
最初の実験は、照明器具に採用されているLEDを光らせるための簡単なプログラミングを行い、LEDの点滅時間を制御する実験から始めました。
Arduinoを動かすには、プログラムを書き込む必要があります。
まず、PC上でプログラムを書くための環境を準備します。
英語のwebサイトを真剣に眺め、必要なツールをインストールします。
このソフトウェアでプログラムを書き、正しいか確認し、エラーが出なければArduinoに書き込みます。
また、温度センサーなどいろいろな計測機器に使用されるセンサーを動作させるプログラムを作成し、その回路を用いた実験を行いました。
最後は、今までに使ったセンサーやプログラムを組み合わせ、自分で設定した仮説を検証する実験を行いました。
緊張している心理状況を実験で可視化するにはどうするか、という課題です。
安静時と緊張時の体温変化を調べるために、怖い動画をネットで検索してみたりなど、各々が考え出した個性的な実験ができていました。
今回の講座では、基本的にはあらかじめ用意されたプログラムを使いました。
一連の作業に慣れてきたところで、プログラムの中身を理解して、書き換えにも挑戦しました。
プログラムを1から書くわけではなくとも、それぞれ何かしらのエラーが出てしまい、一度でうまくいくことは少なかったです。
エラーメッセージとにらめっこし、プログラムの問題なのか、マイコン上での接続の問題なのか、一つ一つ可能性をつぶしていきます。
問題解決のため、自主的に検索している姿も見られました。
また、早く終わったチームは、躓いているところへ積極的に教えに行きました。
それぞれ試行錯誤して、LEDを点滅させたり、センサーを使って自分たちが欲しいデータを収集できたときには歓声が上がりました。
実験のための計測機器を考えて、必要なデータを収集するための回路・プログラムを作成し、実験方法を考えてデータを収集するという、一連の課題研究の流れを体験できたと思います。
実験の後は、講義や実験で学んだり気づいたことを、ポートフォリオで振り返りました。自分の言葉で表現することで、講座の意義をあらためて認識できました。
【生徒の感想】
プログラミングはものすごく難しくて、限られた人にしかできないものだと思っていました。しかし講座を受けて、まず誰にでもどこでもやることができるのだということに驚きました。また、様々なことができるということが凄いことだと思いました。
最初は上手くできるか不安でした。でも、講師の先生方が丁寧に優しく教えてくれたのでとてもわかりやすく、最後までしっかりやることが出来ました。とても楽しかったです。これから実験したりすることも多くなると思うのでそこで今回学んだことを活かして行けたらいいなと思います。