グローバル環境科学 小笠原自然体験教室 03
今朝の散歩では、大神山神社まで223段の階段を上って体操、今日の1日森山散策に備えます。元気のある生徒は、山頂展望台までのぼりました。日の出を見るために早起きして海岸に行った生徒は、海へ帰っていく産卵を終えたウミガメを見ることができたそうです。今年は本当にウミガメの当たり年。とても幸運でした。
森山散策では、まずは父島の南部にある小港海岸にきました。低地の湿性高木林や海岸の植物(オオハマボウ、グンバイヒルガオなど)を観察。海洋島である小笠原に生物がやってくる3W1H(Wave,Wing,Wind,and Human)と、そのための植物の種子形状の意味などを詳しく聞きます。生徒はフィールドワークノートに熱心にメモをとります。早速、事前実習の成果が出ています。
小笠原の自然探索には細心の注意が必要です。保護区域の山に入る前には、入念に靴底やズボンについた泥などをおとし、散策の目的を示す小石もいれて岩山に登ります。固有植物の説明や野猫の捕獲トラップや捕獲した猫の保護活動の話にうなずき、森の中にある大きなガジュマルの大木では、童心に返って木登りを楽しみました。
午後には、父島で最も高い中央山(319m)の頂上へ。360度のパノラマ、気持ちの良い風が吹き抜け、景色は最高です。岩山の頂上部分は薄い土壌しかありません。保水力も弱い山頂の環境で生き延びるために、低地と同じ種類の固有種の木々もその背丈を低くし、葉を小さく厚くして進化します。小笠原の植物の特徴でもある乾性低木林です。
ガイドスタッフの竹ネイチャーアカデミーの方が管理する農場にもいきました。外来種である木々の伐採を少しずつ進めることで固有種の生育を見守ります。伐採した材木からチェーンソーアートも生まれます。
夕方から小笠原海洋センター(カメセンター)に行って、ウミガメについても学習・体験をしてきました。
最初に、ウミガメについてパワーポイントの講義を受けました。このセンターでは、ウミガメの保護・保全のために人工飼育もしています。ウミガメの卵は触ってみると柔らかいです。砂地に産み落とされるため割れないためだそうです。なんといっても生まれたばかりの赤ちゃんカメが大人気でした。ウミガメの甲羅を掃除してあげたり、エサをあげたりとふれあう時間が持てました。
野生動物の保護・保全のための活動には、その生態についての正確な知識が必要不可欠だそうです。一昨晩観察できた野生のウミガメ産卵に続いて、研究施設でのウミガメの生態研究の説明を受けて、とてもよい勉強になりました。