科学知 「日常のなかの「問い」をみつめよう講座」
日常のなかの「問い」をみつめよう』と題したこの講座は、
「問い」をたてる力・仮説をたてる力・データや資料を活用し検証する力・論理的に伝える力を育てることを目的として、8月26日・27日の2日間にわたって実施しました。
指導講師は、文京学院大学保健医療技術学部の樋口桂教授と、本校国語科の塩野入優先生です。2日間とも、大学生がTAとして参加してくれました。
高校1年理数キャリアコースの講座としては異色の国語的視点から開設されたものですが、
課題研究において必要不可欠な力であるとして、教科の垣根を越えた取り組みとなっています。
またICT教育の観点も取り入れ、授業支援アプリ「ロイロノート」を活用して行われました。
1日目は「問い」をたてる【練習編】、テーマはアニメ「プリキュア」シリーズです。
午前はまず、身近なことに疑問をもつ感覚を掴みます。シリーズに隠された疑問を、ツッコミ(=問い)としてどんどんと挙げてゆきます。
自分のたてた問いの「質」を分類し、問いに対する仮説をたてて検証します。
午後は、歴代魔法少女アニメの変遷からみえる、アニメ設定の背景、売れるアニメの法則性に目を向けます。
資料を活用して社会状況を予測し、プロデューサーとして20年後のプリキュアを企画します。
生徒の柔軟な発想力+未来の社会状況をふまえた戦略により、独創的なプリキュアが続出しました。
2日目は【実践編】、社会問題を掘り下げます。
①「妊婦加算の是非」②「安楽死の合法化」の2つのテーマを掲げ、問題点を分析、その後ディベートを行います。
データや資料の読み取り、精度の高い仮説を立てる力、論理的に伝える力をより実践的に身につけていきます。
大学生のTAも一緒に議論に加わり、自分の論のどこが弱いのか、どの視点が足りていないのかなど直接指導を受けました。
この2つのテーマの背景には「少子高齢化」が関わっており、既存の問題は本当にダメなことなのか、”そもそも”の視点に立ちます。
社会と個人のあり方の対立を実感し、答えのない問いにどう向き合うか、
そして、ひとつの問題にアプローチする方法は無数だということに気がつきます。
少子高齢化に対して自分ならどのようなアプローチをしてどのように問題解決をはかるのか、
理系の視点からどんな研究がしたいかを小論文としてまとめて、講座を完了しました。
タブレットを活用した授業に最初は戸惑いもみせたものの、すぐに使いこなして2日間を通して様々な「問い」に気がついた生徒たちが、今後どのような活躍をみせるのか楽しみです。